週末に Next.js でサイドプロジェクトを作ったのには、はっきりした理由がありました。仕事で、SEOが重要になるもっと大きなプロジェクトを一人で構築する予定があり、そこで初めて実践的なSEOの問題にぶつかるのは避けたかったからです。
当初は、主なフィードバック源は Google になると思っていました。公開後すぐに Google Search Console を設定しました。一方で Yandex Webmaster はほとんど無視するつもりでした。コンテンツは英語なので、ロシアの検索エンジンは優先度が低いだろうと考えていたからです。それでも好奇心から、Yandexにも sitemap を送ってみました。
2週間後、見えていた流入数は予想と逆でした。
- Google: 58人
- Yandex: 200人
この差は当然目を引きました。ただ、本当に役立ったのは流入数だけではありません。私のケースでは、Yandexのほうがページのインデックスが明らかに速く、エラーレポートもより詳細でした。そのおかげで、そうでなければ見落としていた可能性が高い問題を見つけて修正できました。
本当に学びたかったこと
SEOについては以前から読んでいました。足りなかったのは、実際のサイトで得られる経験です。ページを公開し、検索エンジンがどう発見するかを見て、インデックス状況を確認し、診断結果を読み、問題を直し、その後に何が変わったかを追う。そうした一連の流れを自分で経験する必要がありました。
サイドプロジェクトは、その経験を仕事の本番プロジェクトより先に得るための実験場になりました。GoogleとYandexを厳密に比較するベンチマークが目的ではありません。記事やドキュメントを読むだけでは得られないフィードバックループを作ることが目的でした。
本当に意外だったのはインデックスと診断
58対200という数字は分かりやすいですが、ここから「YandexはGoogleより優れている」と一般化することはできません。1つのサイトを2週間見ただけで、他のサイトや英語コンテンツ全般にも同じ結果が出るとは言えないからです。
私が事実として言えるのは、このプロジェクトの最初の2週間ではYandexからの流入のほうが多く、ページのインデックスも速く、診断情報も私にとってより実用的だった、ということです。
この経験で、Webmaster系ツールを単なる流入確認の場所ではなく、検索に対する observability の一部として見るようになりました。最大の流入源でなくても、技術的な問題やインデックスの挙動を見せてくれるなら価値があります。
クロール、インデックス、流入は別のシグナル
クローラーがURLを発見・取得したことと、そのURLがインデックスされたことは同じではありません。インデックスされたからといって上位表示されるとは限らず、順位が付いても実際の流入が発生するとは限りません。
Googleの公式ドキュメントでも、Searchはクロール、インデックス、検索結果での表示という別の段階として説明され、技術要件を満たしたページでもクロール・インデックス・表示が保証されるわけではないとされています。Yandex Webmasterでも、サイト診断やインデックス関連の情報は別々の機能として提供されています。
だから私の数字も分けて読む必要があります。58対200は流入についての観測です。 インデックスが速かったことは別の観測で、診断がより役立ったことも別です。全部まとめて「YandexがGoogleに勝った」と言えば簡単ですが、技術的には不正確になります。
今後も使いたい進め方
- 最初から複数のWebmasterツールを接続する。 英語サイトだからYandexは不要だろう、という先入観だけで切り捨てかけました。
- sitemapを送った後の動きを見る。 sitemapの送信は、インデックスされた証明ではありません。
- インデックスと流入を別々に追う。 流入が変化したとき、どの段階から差が生じたのかを考えます。
- 診断は調査の手掛かりとして扱う。 警告だけで重大な問題だと決めつけず、実際のページを確認します。
- 観測期間を結論から消さない。 今回の結果は、1つのサイドプロジェクトの最初の2週間です。
この実験からは証明できないこと
Yandexが常にすべてのサイトを速くインデックスする、英語サイトなら必ずGoogleより多くの流入を送る、あるいはGoogle側に何か問題があった、といった主張はできません。また、短期間の相関だけから流入差の原因を断定することもできません。
SEOでは、「変化が起きた」ことと「なぜ起きたかを説明できる」ことを分ける必要があります。連続して起きた2つの出来事が、必ずしも因果関係を持つとは限りません。
私の中で変わったこと
私は、英語のサイドプロジェクトでは重要ではないだろうという根拠のない前提だけで、Yandex Webmasterをほぼ無視しかけました。ところが2週間後には、Yandexから200人、Googleから58人という流入があり、さらに私のケースではYandexのほうがインデックスも速く、診断も役立っていました。
最初に目を引いたのは流入数です。しかし、本当に残った学びは方法論でした。ツールを接続し、シグナルを分け、観測した事実を確認し、データ以上に強い結論を出さないことです。