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2025年10月27日Sergei Solod6 分で読めます

新規サイトで Yandex は伸びたのに Google はほとんど動かなかった

同じ新規プロジェクトで、Google Search は長期間で約300クリックにとどまった一方、Yandex Webmaster ではクリック数が +500% と表示されるほど上昇しました。この数字から確認できること、確認できないこと、そしてクロール・インデックス・ランキング・トラフィックを混同せずに差を調べる方法を整理します。

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新しいプロジェクトを公開したとき、オーガニック検索の中心になるのは Google だと思っていました。自分なりに必要だと考えた SEO 対応を行い、Google Search Console を設定して、検索流入が増えるのを待ちました。

ところが、結果は予想とかなり違いました。Google 側のデータはほぼ横ばいで、表示回数は少なく、長い期間を通してクリック数も約 300 にとどまりました。一方の Yandex Webmaster ではグラフが明確に上向き、ある時点ではクリック数が 500% 増 と表示されていました。

この差そのものは事実です。ただし、当時そこから導いた説明は少し断定的すぎました。

実際に確認できたこと

私が確認できるのは、このプロジェクトでは Yandex から検索流入がすでに発生していたのに対し、Google からの流入はかなり少なかったことです。また、両方の管理画面に表示されていた数値も確認できます。しかし、そのグラフだけで両者の差が生まれた原因まで証明することはできません。

Yandex の伸びを見て、「Yandex は新しいコンテンツをより速くクロール・インデックスし、評価してくれる。Google は新規サイトを無視している」と言いたくなります。しかし、これは別々の処理を一つの因果関係にまとめてしまっています。クロールとインデックスは同じではありません。インデックスとランキングも同じではなく、ランキングとトラフィックも同じではありません。 URL がクロールされてもインデックスされないことはありますし、インデックスされても有効な検索クエリで上位表示されるとは限りません。表示されてもクリックがほとんど発生しない場合もあります。

Google 側についても同じです。Search Console のグラフが静かだからといって、それだけで URL の発見、クロール、インデックス、クエリとの関連性、順位、検索需要のどこに問題があるかは判断できません。ダッシュボードが示しているのは結果であって、アルゴリズムの意図ではありません。

「500% 増」は絶対値とセットで見る

500% という数字は目を引きますが、割合だけを見ると判断を誤りやすくなります。元の値が小さければ、相対的な伸び率は非常に大きく見えます。その裏にある実クリック数が分からない以上、「Yandex の総トラフィックは Google の6倍だった」と断定したり、Yandex のほうがこのサイトに普遍的に向いていると結論づけたりするのは適切ではありません。

さらに、「Google は長期間で約300クリック」と「Yandex は最近 +500%」は、そもそも同じ種類の指標ではありません。比較するなら、同じ期間・同程度の対象範囲にそろえたうえで、まずクリック数と表示回数の絶対値を見る必要があります。累積値と成長率をそのまま並べても、公平な比較にはなりません。

今ならどう調べるか

同じ状況を今調査するなら、「SEO」という一つの数字にまとめず、次の順番で切り分けます。

  1. 期間をそろえる。 Google と Yandex を同じ日付範囲で比較します。
  2. まず絶対値を見る。 クリック数と表示回数を記録し、成長率は補助的な情報として扱います。
  3. クロールとインデックスを分ける。 クローラーが URL を取得したことと、その URL が検索結果に出られる状態であることは別です。
  4. ページとクエリを確認する。 差が一部のページだけから生まれているのか、サイト全体で起きているのかを見ます。
  5. 地域とデバイスも見る。 技術的には同じサイトでも、検索エンジンごとにユーザー層や検索需要が違う可能性があります。
  6. 技術的なアクセス条件を監査する。 robots.txt、canonical、sitemap、HTTP レスポンス、内部リンク、レンダリングなどは発見やインデックスに影響し得ます。ただし、どれかを原因と断定する前に証拠が必要です。
  7. 変更履歴を残す。 複数の SEO 要素を同時に変えると、その後グラフが動いても何が効いたのか判断しにくくなります。

結論をどう言い換えるようになったか

Yandex が初期の検索流入を作ってくれたこと自体は、今でも素直にうれしく思っています。変わったのは、その結果の説明です。

今なら「Yandex は新しいコンテンツを評価するが、Google は評価しない」とは書きません。言えるのは、このプロジェクトのこの期間では、Yandex の検索パフォーマンスが Google よりはるかに速く伸びたというところまでです。原因は未確認です。

この区別は実務上重要です。グラフをアルゴリズムの好みの証拠だと思えば、調査はそこで止まります。観測結果として扱えば、「同じページがインデックスされているか」「同じクエリで表示されているか」「一方だけが見つけている URL はないか」「ユーザー層が違わないか」「技術的な差なのか、競合や需要の差なのか」と次の質問に進めます。

私がこの経験から得た一番大きな教訓は、「どちらの検索エンジンが新規サイトに優しいか」ではありません。同じプロジェクトでも検索エンジンごとに結果は大きく変わり得ること、そして管理画面の数字は説明ではなく診断材料として読むべきだということです。

グラフは何が起きたかを示します。しかし、それだけではなぜ起きたかまでは分かりません。